第四話【家族を巻き込んだある出来事と妻ついに家を出る】
開業してから半年の間にお客様を集める為にしていたことと言えば、自分を覚えてもらう為に様々なところに顔を出していたこと。
商店街や商工会議所の飲み会、地元幼稚園や介護施設での健康教室の開催、地元の開業医の勉強会など。良いか悪いかなんて考えずに一週間に何度も出歩くので体もボロボロ。
妻には『そんなことしてホント意味あんの?』という無言のプレッシャー(これが一番コワイ…)眠たい目をこすって朝から仕事。結構、限界が来ていました。
今でも思い出すのが、商工会議所婦人会の懇親会に家族総出で挨拶しに行った時のこと。妻が娘をおんぶし僕が息子と手を繋ぎながら、院の紹介をさせてもらった時は本当に辛かった。
なんでこんな恥ずかしい思いをしなけりゃいけないんだろう。
家族みんなもきっと嫌な気持ちなんだろうな、ごめんなあ…。
恥ずかしいし、情けないし、家族皆に不憫な思いをさせてしまった、自分のプライドなんかボロボロ、何より小さな子どもたちまで巻き込んでしまったという申し訳ない気持ち。こんなはずじゃなかった、 腹の奥にズシーンと残る嫌な気持ちがいっぱい。
それでも前を向かねばならず、日々目の前のことに奮闘していましたが、ある時ナツメ堂きっての大乱闘事件が勃発。
僕もお客様が少ないことやこの先の経営には不安だらけ、妻も普段の家事や引越しして慣れない環境でのストレスが頂点に達し、いつものたわいのない言い合いから大きなケンカに発展してしまったのです。
『こっちはやれることやっていくしかないんだから、そんな顔すんなよ!』
『大してお客さまにも繋がらないんなら、そんなことしないで、少しは家のことを手伝ってよ!』
『お前にオレの気持ちなんて分かるか!オレがどんだけ苦労しているか知らないヤロ!』
『誰が好き好んで、こんな恵庭まで来てやったと思っているの』
最後はここでは書けないような罵声の浴びせ合い。両者譲らない姿は、思いっきり窓の外から丸見え。でも、そんなこともうどうでもよくなった僕はその晩、家に戻らず・・・。
その後、遂に妻も子どもを連れて釧路に帰ってしまう最悪の状況。遂にどん底に陥ってしまいました。
そんな状況が秋まで続き、家の雰囲気も良いわけがなく言いようのない不安だけが襲って来ました。
そんな時、ネットでたまたま知り合った方にすがる思いで経営の相談をしたんです。するとそこからナツメ堂に少しずつ変化が生まれてきました。
今までの人生の中で、これほど感謝の気持ちでいっぱいになったことなんてなかったというくらい、大きな一歩を歩み始めていきます。
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