第三話【開業当初の好調から現実を思い知らされる半年間まで】
オープン当日は、なんと7名のお客様がお越しくださいました。もう心の中ではガッツポーズ!事前にフリーペーパーで無料体験を募り、早くもこんなにお客様が来てくださったので、『このペースで行ったらお客様でいっぱいになってしまうーー』単純な僕は、初日だけで有頂天になってしまいました。
相変わらず成長しないこの性格、本当に小学生並みですね(笑)
ただ、ありがたいことにその後も毎日のように数名のお客様が来院してくださり、5月は31人来院 売り上げが12万5千円、ゼロの日が7日という結果を出せました。決して満足出来る結果ではなかったのですが、何故か『よっしゃー、これからどんどん忙しくなるぞ!』という明るい希望に満ち溢れていました。
多分釧路時代の忙しさを体感していたので、『今に僕もあのくらい忙しくなるに違いない。なーにだいじょうぶ大丈夫。』と、根拠のない呑気な自信を持っていたのだと思います(笑)
その後、6月7月と一応順調に来院数と売り上げを伸ばしていき、8月には28万円の売り上げになったのです。ただ気になっていたのは、お客様は僕の親戚や身内、商店街の社長さんなどが多く、本当の意味での新規様はひと握りで、当然継続して来院してくださるお客様はほとんどいない状態ということでした。
売り上げの内容も、保険診療を含めほとんどが鍼灸による身体全体を診る総合治療で、美容鍼なんてメニューにあるだけの状態。お客様がいくら来院しても売り上げが一向に上がらないという状況に『おいおい、いつになったらまともな売り上げになるんだろう・・・。』それから、秋にかけてジワジワと不安な気持ちが迫って来ていました。
妻にも『なんであんな開業前の忙しい時に、わざわざ高いお金かけて美容鍼の勉強なんてして来たの?』と言われる始末。家の中も引越しして数ヶ月が経っているとは言え、まだまだごちゃごちゃで片づかない状態。
たまに見せる妻の表情がとっても疲れていて、そんな妻を見ることが一番辛かったです。とにかく家族みんなに『すまない…もう少しの辛抱だから。』という気持ちでいっぱいでした。
開業当時のナツメ堂鍼灸院の施術料金が3400円。鍼灸治療と言えば高いイメージがあるので、少しでもお客さま負担の少ない保険診療をオススメする。
でもそのためには同意書を書いてくださる近隣の医師の確保が不可欠でした。そこで商工会議所経由で、市内の開業医の勉強会に参加させていただき少しずつ人脈を広げていきました。
それでも、
他の鍼灸院とほとんど同じような料金だし、あとは地道にやって行くしかないよな…。
院内もオシャレにしたし、技術も鍼を皮膚に刺さずに行うという恵庭にはないもの…。
しっかりと特徴もあるし、僕がやっていることは間違っていることなんてない…。
きっとお客様で溢れる日がすぐにやって来る…。
来るよね…。
でも、心の奥の奥では『コツコツっていつまでだよ…。こういうの一番苦手ななんだよなぁ。1日でも早くたくさんのお客様が来ないかなぁ。』と運が舞い込んでくることに期待。
そういえば、その頃は「引き寄せの〇〇」とか「人生を変える〇つの習慣」等、暇を見ては読みふけっていた。そんな暇があれば、ブログの記事1つでも書けるのにね〜
開業して半年、徐々ににっちもさっちも行かない状況に追い込まれていくのでした。
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